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CD『プラテーロとわたし』大萩康司先生のセルフレーベル第一弾!

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『プラテーロとわたし』

 マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ

 大萩康司(ギター)

 波多野睦美(メゾソプラノ、朗読)

 定価4,545円(税別)MARCO 001/2 

 MARCO CREATORS/キングインターナショナル

前回このお知らせブログでご紹介した銅版画家・山本容子さんがジャケットの装丁を担当した大萩康司さんのセルフプロデュースCD『プラテーロとわたし』をあらためてご案内します。

フォレストヒルミュージックアカデミー出身で日本ギター界のトップを走る大萩康司さんは、正統的なクラシックギタリストとして抜群のテクニックと深い表現力、多彩な音楽性を備え、国内外の聴衆を魅了しています。

今年2020年、デビュー20周年を迎え自身のレーベル「MARCO CREATORS」を立ち上げました。

その第一弾となるアルバムが波多野睦美さんの朗読と大萩さんのギターで作りあげられたCD『プラテーロとわたし』です。

ノーベル文学賞を受賞したスペインの詩人フアン・ラモン・ヒメネス(1881〜−1958)の代表作である散文詩『プラテーロとわたし』にイタリアの作曲家マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコがギターと朗読のために曲をつけた、ギター音楽として貴重な作品です。

散文詩『プラテーロとわたし』 は19歳にして文壇デビューしたヒメネスが、病いに倒れ、療養のため故郷モゲールに戻った際に自然の美しさや人びとの日常の営みから、人生の喜怒哀楽をロバのプラテーロとの交流を通して綴られた138編からなる散文詩です。テデスコはその中から28編を選び、ギターと朗読のための作品を作曲しました。

大萩さんは、2016年からこの作品を波多野睦美さんとコンサートで取り上げていて、昨年の7月にはフォレストヒルの主催でコンサートを行い、お2人の素晴らしい芸術を目の当たりにされた方もいらっしゃると思います。

このアルバムは波多野睦美さん自身による新しい訳詩による朗読で28曲全曲を収録した完全版です。波多野さんは日本語訳の中で最も良い形でギターと合う表現を考察しており、そこに“ギターの詩人“と称される大萩さんの最上の表情によるギター演奏が相まって素晴らしい世界を創出しています。

そしてジャケット・デザインには、前回ご紹介した銅版画家の山本容子さんの手による作品を使用して、『プラテーロとわたし』の持つ世界観をより表出しています。

以下、大萩さんのオフィシャルブログから

『プラテーロとわたし』CD完成

ハクジュホールで3年に渡り、セルフプロデュースでコンサートを企画させていただいた「ギターと声」シリーズの第2回目、2016年に波多野睦美氏と演奏させていただいた、ラモン・ヒメネス詩、マリオ・カステルヌオーヴォ・テデスコ作曲の「プラテーロとわたし」全28曲を、世界では初めてとなる日本語版(波多野睦美による新訳版朗読)でキング・インターナショナルから自身初となるセルフレーベルでリリースする運びとなりました。

ルフレーベル名は ”MARCO CREATORS”。

MARCO” 、は私が12歳の時から22年間兄弟のように過ごした愛犬の名前。

最初に「プラテーロとわたし」を演奏した時にすぐに頭に浮かんだのがマルコ(オス)でした。いつも一緒に散歩しているときはお互いが(おそらくあちらは気にしていたのだろうけれど)意識していなくてもこちらが振り向けばあちらもこっちを見て、座り込んだら立ち上がるまで一緒にそばにいてくれたり・・・言葉は通じないのに種を超えて会話しているような感覚が、それ以外の場面でも、ロバと一人の男の生活を描くこの物語とあまりに自分自身共鳴する所が多く、きっと自分のように、身近に生活を共にする生き物の「生と死」を見た方々がこの物語を知ったとき、その亡くなった命に対して何かしらの感情を抱くことのできる作品であると感じ、それを気付かせてくれた天国に居るマルコへの感謝を込めました。

そして “CREATORS” 、これは制作に携わった方々、演奏者はもちろんですが、今回のジャケットの”顔”である装丁画を創ってくださっているのは、銅版画家の山本容子氏、デザインの十河岳男氏。ジャケット内で使われている写真は写真家の関矢士門氏、ヘアメイクの西山和明氏、西山やよい氏。そして臨場感のある音を作ってくださったディレクターの野田智子氏、サウンドエンジニア&エディターの櫻井卓氏。ほか様々な才能をお持ちの皆さんの創造力が集結して生まれた作品なので、自分の拙い言葉では伝えきれないほどの感謝と敬意を払いつつ・・・このレーベル名になりました。

「プラテーロとわたし」を制作するにあたり、CDそのものの存在意義について改めて考えました。せっかくならば手にとって、音源だけでなくそのCD自体を所有する愉しみがないと、物としてでなくデータだけでも済んでしまう今の時代、この「プラテーロとわたし」が、ジャケットを見て手にしたその時にこの作品の意図が伝わり、箱を開けた瞬間に想像が膨らみ、音を聴いた途端、その物語に入り込めるような作品になっていたら良いなと想像して、構想から3年以上の時間を経てリリースの時を待っています。

全ての世代の皆さんに観て、聴いて(読んで)いただきたいです。動物との友情だけでなく、人間のダメな所も良い所も、手元の限られた空間だけでなく、目の前に拡がっている広い世界を見るためにも、この作品は存在してくれると信じています。

一人でも多くの方に触れられることを心から願いつつ・・・

2019年9月25日

大萩康司

CDはフォレストヒル店頭、フォレストヒルネットショップでお取り扱いをしております。

ぜひ皆さまもこの記念すべき素晴らしい作品をお聴きください!