森田莉子さんの留学日記Vol.2〈セビリア編〉の第4回です。
■セビリア音楽院での学び
この1年間、ギターはフランシスコ・ベルニエール氏に師事しました。彼はスペイン生まれですが学生時代にフランスへ留学し、パリのエコール・ノルマル音楽院でアルベルト・ポンセ氏に師事していました。その後もさまざまな国へ留学していた経験があるため、フランス語はもちろん、英語、イタリア語なども流暢に話します。そのおかげで、レッスン初日からフランス語で不自由なくコミュニケーションをとることができました。
先生の印象としては、とにかく教育熱心。週に一度、1時間半のレッスンが設けられていましたが、予定の時間を超えてまで丁寧に指導してくださいました。タッチや運指といった基礎的なことから、これまでの経験を通して培われた音楽観や考え方まで、惜しみなく共有してくださるようなレッスンでした。また、とても親しみやすい方でもあり、ご自身の留学時代のことや楽器のこと、コンクールのことなど、レッスン中さまざまな話をしてはよく議論を交わしました。「いろいろなことを学び、とにかく吸収し、その中から自分に合ったものを選んでいきなさい。」という言葉を先生は一年を通して何度も口にされていました。
そしてなんといっても、先生のスペイン音楽の歌い方は秀逸。この地で生まれ、この地の文化や伝統に触れながら育ってきたからこそ奏でられる音楽には、心に訴えかけてくるものがありました。この瞬間をぜったいに忘れたくない、耳に焼き付けるんだ、と。そんなレッスンを終えて帰路に着く際、そのときを思い出しては目頭が熱くなったことが何度もありました。こんなふうに音を奏でてみたい、と何度思ったことか…
(フランシスコ・ベルニエール先生と)

(ベルニエール先生と門下生との集合写真)