昨年フォレストヒルミュージックアカデミーより、パリ国立高等音楽院(フランス)に留学した森田莉子さんより、フランスでの生活についてお便りをいただきましたので、「森田莉子 パリ留学日記 Vol.1 」を5回に分けて掲載します。
「森田莉子 パリ留学日記 〜 Journal des études de Riko à Paris Vol.1-4」
みなさんこんにちは!森田莉子です。
昨年8月にフランスでの生活を始めて、早一年が経ちました。
今回このような素敵な機会を頂けたので、留学までのことも併せ昨年の2月の入学試験やこちらでの学校生活を少し振り返ってみたいと思います。
前回より 続き〜
昨年の9月にギター科に入学したのは私を含め3名。募られる入学者の数は、その年に卒業する人数、という仕組みになっており、現在音楽院のギター科に在籍するオリヴィエ門下生(第一課程・第二課程)は私を含め8名です。音楽院では毎週オリヴィエ・シャッサン氏にギターのレッスンを受けています。また、アシスタントのジアニ・カセロット氏のレッスンも2,3週間に一度受けており、まだまだフランス語が拙い私をお二方ともはじめから温かく迎え入れてくださりました。
レッスンは基本的にフランス語で進められますが、特に初めの方はレッスンの中でも理解できない部分が沢山ありその際には英語を交えながら教えてくださいました。「音楽家はコメディアンであらなければならない」と常におっしゃるシャッサン氏は博識・聡明かつとても優しいお人柄です。レッスンでは時代ごとの作品の弾き分け方や作品の解釈方法について意見をいただくことが多く、それにより運指を一から見直すこともあります。カセロット氏のレッスンでは、シャッサン氏と共通する部分も沢山ありますが、また違った彼の音楽の捉え方や知識を得ることができます。シャッサン氏のレッスンで、まだ自分が消化しきれていない部分をゆっくりと丁寧に紐解いてくださることも多く、お二方のレッスンをと良いバランスで進めることができています。
レッスンで言葉が聞き取れてもその場で全てを吸収することはできず、先生の言葉を一度そのまま受け取っています。その後「なぜそのように言ったのだろう?」とその言葉の背景にあるものも含め考え直し、少しずつ咀嚼しながら自分の中に落とし込んでいっています。
〜次回に続く